<現在の仕事を志すきっかけ>
前職は、地元海運業に勤めていました。社会保険労務士に興味を持ち、合格した頃、私の人生を変える出来事が起こりました。 国外から入港してくる本船入出港業務に携わっていた時のことです。
北米から、1人の男性がヨットを自ら操船し、日本国内の港を目指していました。国籍・居住地を国外に変更された日本人の方で、奥様が亡くなられたため、奥様の遺骨を故郷へ持ち帰り、埋葬するために来たということでした。
ただ、静岡沖にて他の船と衝突してしまい、私が勤務していた港へ到着された時には、ヨットは破損し、ご自身も怪我をされ、近くの病院に入院をすることになりました。国外の家を売却してヨットを購入していたため、ヨットの修理代や病院の治療費等の負担はとても大きなものでした。
日本でこの男性を支援されている方々がいましたが、経済的な問題を解決する術がなく、事態は良く有りませんでした。年金を受け取ることのできる年齢でしたが、日本で船員として働いていた期間が短く、現在の国籍が外国にあるということで、年金を受け取ることは無理だろうと言われていたのです。
社会保険労務士の資格試験の勉強により年金の知識があった私は、
ことを知っていました。そこで、ご本人と一緒に関係官庁へ問い合わせに行きました。
結果、年金を受け取る要件を満たしていることがわかり、過去の分もある程度さかのぼって年金を受給できることとなりました。そして、男性は経済的な問題を解決することができたのです。
<「知らない」ことから生じる経済的困難を救いたい>
この経験を通じて、「知らない」というだけで本来受け取ることのできる経済的支援を受けていない人がいること、情報を必要とする人々に対して周知が十分でないこと、特殊な事柄については専門的な知識を持っている人を介すことで解決ができるということを実感しました。
ちょうど将来の道を模索していた最中だったので、この経験で将来を決めました。「専門的な知識で困っている方の手助けをしたい」「この知識を生かしてもっとたくさんの方々の手助けをしたい」と、会社を退職し、独立することにしたのです。
障害年金は、その存在自体があまり知られていないこと、さまざまな誤解によって容易に請求をあきらめてしまうこと、請求作業が大変なこと、お医者さんに自分の状態を上手く伝えることができない等の問題があります。
その結果、受け取れるはずの障害年金を受け取っていないケースが多いことを見聞きします。
障害年金を受け取ることができる状態なのに受け取っておらず、生活や仕事、生きることが大変だと感じていらっしゃる方々のお力に少しでもなれればと思い、私は障害年金の請求代理に取り組んでいます。