精神の障害

精神の障害は、統合失調症、総合失調症型障害およびもう想性障害、気分(そううつ病)障害、症状性を含む器質性精神障害、てんかん、知的障害、発達障害に区分けされます。

ここではこのうち、統合失調症、総合失調症型障害およびもう想性障害、気分(そううつ病)障害、症状性を含む器質性精神障害、知的障害、発達障害について、掲載します。


統合失調症の障害認定基準

1級
  • 高度の残遺状態または高度の症状があるため高度の人格変化、思考障害、その他もう想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の介護が必要なもの
2級
  • 残遺状態または症状があるため人格変化、思考障害、その他もう想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
  • 残遺状態または症状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他もう想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの

 

気分(そううつ病)の障害認定基準

1級
  • 高度の気分、意欲・行動の障害および高度の思考障害の病相期がり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の介護が必要なもの
2級
  • 気分、意欲・行動の障害および思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたはひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
  • 気分、意欲・行動の障害および思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働が制限を受けるもの

【補足】統合失調症の障害、気分(そううつ病)障害

  • 日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能および精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。また、現に仕事に従事している者については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。

 

知的障害の認定基準

1.知的障害とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあわわれ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるものをいう。

2.各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。

1級
  • 食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時介護を必要とするもの
2級
  • 食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの
3級
  • 労働が著しい制限を受けるもの

3.知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する。

4.日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能および精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。

5.就労支援施設や小規模作業所などに参加するものに限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。

 

発達障害の認定基準

1.発達障害とは、自閉症、アスベルガ―症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠如多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいう。

2.発達障害については、たとえ知能指数高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行う事ができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う。

3.発達障害は、通常低年齢で発症する疾患であるが、知的障害を伴わない者が発達障害の症状により、初めて受診した日が20歳以降であった場合は、当該受診日を初診日とする。

4.各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。

1級
  • 社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不
    適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
2級
  • 社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
3級
  • 社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの

5.日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能および精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。

6.就労支援施設や小規模作業所などに参加するものに限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。

 

症状性を含む器質性精神障害の認定基準

1.症状性を含む器質性精神障害(高次脳機能障害を含む。)とは、先天異常、頭部外傷、変性疾患、新生物、中枢神経等の器質障害を原因として生じる精神障害に、膠原病や内分泌を含む全身疾患による中枢神経障害等を原因として生じる症状性の精神障害を含むものである。
 なお、アルコール、薬物等の精神作用物質の使用による精神及び行動の障害(以下「精神作用物質使用による精神障害」という。)についてもこの項に含める。
 また、症状性を含む器質性精神障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取り扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。

2.各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。

1級
  • 高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの
2級
  • 認知障害、人格変化、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
  • 認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限を受けるもの
  • 認知障害のため、労働が著しい制限を受けるもの
障害
手当金
  • 認知障害のため、労働が制限を受けるもの

3.脳の器質障害については、精神障害と神経障害を区別して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能であり、原則としてそれらの諸症状を総合して、全体像から総合的に判断して認定する。

4.精神作用物質使用による精神障害
  ア アルコール、薬物等の精神作用物質の使用により生じる精神障害について認定す    るものであって、精神病性障害を示さない急性中毒及び明らかな身体依存の見ら    れないものは、認定の対象とならない。
  ィ 精神作用物質使用による精神障害は、その原因に留意し、発症時からの療養及び    症状の経過を十分考慮する。

5.高次脳機能障害とは、脳損傷に起因する認知障害全般を指し、日常生活又は社会生活に制約があるものが認定の対象となる。その障害の主な症状としては、失語、失行、失認のほか記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがある。
 なお、障害の状態は、代償機能やリハビリテーションにより好転も見られることから療養及び症状の経過を十分苦慮する。
 また、失語の認定については、「音声又は言語機能の障害」の認定要領により認定する。

6.日常生活能力等の判定にあたっては、身体的機能及び精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。また、現に仕事に従事している者については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、ほかの従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。

 

 

↑このページのトップへ戻る